男性泌尿器科

担当医について

  • 火曜日午後、第1土曜日午前:女性医師
  • 水曜日午後、第2、3、4、5土曜日午前:男性医師

全ての泌尿器科診察日において、男女すべての泌尿器科疾患を対象に診療しています。

男性の泌尿器のお悩み、お気軽にご相談ください

泌尿器科の疾患は、排尿に関するトラブルから前立腺の病気、男性特有の悩みまで多岐にわたります。「恥ずかしい」「年のせいだから」と我慢されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、これらの症状の多くは適切な診断と治療により改善が期待できます。特に前立腺肥大症やED(勃起不全)、男性更年期障害などは、QOL(生活の質)に大きく影響を与える疾患ですが、近年は治療法が進歩しています。

また、PSA検査で異常を指摘された場合や、排尿に関する症状がある場合は、重大な疾患が隠れている可能性もありますので、早めの受診をお勧めします。

このような症状の方はご相談ください

排尿に関する症状

  • 尿が近い、回数が多い(頻尿)
  • 夜間、何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
  • 尿の勢いが弱い、出にくい
  • 排尿に時間がかかる
  • 残尿感がある
  • 尿が途中で途切れる
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿に血が混じる(血尿)
  • 尿が白く濁る
  • 急に強い尿意を感じ、我慢できない

男性特有の悩み

  • 睾丸や陰嚢が腫れた
  • 陰茎、陰嚢が痛む、かゆい
  • 亀頭、包皮に水疱やイボができた
  • PSA(前立腺特異抗原)値が高いと言われた
  • 男性更年期障害のような気がする
  • 勃起力が低下した(自由診療となる可能性があります)
  • 包茎の治療をしたい(自由診療となる可能性があります)

その他の症状

  • 腰や背中が痛む
  • 下腹部痛がある
  • 尿道から膿が出る
  • 健診の尿検査(尿潜血、蛋白尿など)で異常を指摘された

当院の泌尿器科で扱う主な疾患

前立腺肥大症

前立腺は男性のみにある臓器で、膀胱の真下、尿道を取り囲むように存在します。加齢とともに前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで様々な排尿障害を引き起こす病気です。

50歳代で約30%、60歳代で約60%、70歳代で約80%の男性に前立腺肥大の所見が認められると言われており、高齢男性の代表的な疾患です。

主な症状

  • 尿の勢いが弱い
  • 排尿に時間がかかる
  • 尿が途切れる
  • 残尿感がある
  • 頻尿(特に夜間頻尿)
  • 急に尿意を感じ、我慢できない
  • 腹圧をかけないと尿が出ない

前立腺炎

前立腺に炎症が起こる病気で、細菌性と非細菌性があります。細菌性前立腺炎は比較的若い年代(20~40歳代)にも多く見られます。慢性前立腺炎は長期間症状が続き、QOLを著しく低下させることがあります。

主な症状

  • 排尿時痛、排尿後痛
  • 頻尿、残尿感
  • 下腹部、会陰部、腰部の痛みや不快感
  • 射精時の痛み
  • 発熱(急性細菌性前立腺炎の場合)

前立腺がん

前立腺に発生する悪性腫瘍で、日本人男性のがんの中で罹患率が急増しています。早期には自覚症状がほとんどなく、PSA検査による発見が重要です。

PSA検査について

PSA(前立腺特異抗原)は前立腺から分泌されるタンパク質で、血液検査で測定できます。一般的にPSA値が4.0ng/mL以上の場合、前立腺がんの可能性を考えて精密検査が必要とされます。

ただし、PSA値の上昇は前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症や前立腺炎でも見られるため、PSA値が高い=前立腺がんではありません。

検査・診断

PSA値が高い場合は、直腸診、MRI検査、前立腺生検などの精密検査を行います。

尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石)

腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石ができる病気です。日本人男性の7人に1人が一生のうちに尿路結石を経験すると言われており、再発率も高い疾患です。

主な症状

  • 突然の激しい腰背部痛、側腹部痛(疝痛発作)
  • 血尿
  • 吐き気、嘔吐
  • 頻尿、排尿時痛

精巣上体炎(副睾丸炎)

精巣の上部にある精巣上体に細菌が感染して炎症を起こす病気です。尿道から細菌が逆行性に侵入することで発症します。

主な症状

  • 陰嚢の腫れ、痛み
  • 発熱
  • 精巣上体の硬結、圧痛
  • 歩行時の痛み

精巣捻転

精巣が回転してねじれることで、精巣への血流が遮断される緊急疾患です。新生児期と思春期に多く見られます。発症から6時間以内の治療が重要で、遅れると精巣が壊死する可能性があります。

主な症状

  • 突然の激しい陰嚢の痛み
  • 陰嚢の腫れ、発赤
  • 吐き気、嘔吐

緊急性の高い疾患のため、陰嚢に突然の激痛が生じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

性感染症(STD・STI)

性行為によって感染する病気の総称です。主なものに以下があります。

  • 淋菌感染症(淋病):尿道からの膿、排尿時痛
  • クラミジア感染症:軽い尿道炎症状、無症状のこともある
  • 梅毒:初期は陰部の潰瘍、進行すると全身症状
  • 尖圭コンジローマ:陰部のイボ
  • 性器ヘルペス:陰部の水疱、潰瘍、痛み

パートナーと同時に治療することが重要です。

勃起不全(ED)

満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態をEDといいます。日本では成人男性の約4人に1人が中等度以上のEDと推定されています。

原因

  • 器質性ED:血管、神経、内分泌系の異常(糖尿病、高血圧、動脈硬化など)
  • 心因性ED:精神的なストレス、不安など
  • 混合性ED:器質性と心因性の両方

※ED治療については、問診と必要に応じた検査を行った上で判断します。治療は自由診療となる可能性があります。

男性更年期障害(LOH症候群)

加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下により、様々な身体的・精神的症状が現れる状態です。40歳以降の男性に見られ、約600万人の潜在患者がいると推定されています。

主な症状

  • 身体症状:疲れやすい、筋力低下、ほてり、発汗、性欲低下、ED
  • 精神症状:意欲低下、イライラ、不安、抑うつ、不眠、集中力低下
  • 認知機能の低下:記憶力低下

診断

問診票による症状評価と血液検査(テストステロン値測定)により診断します。

包茎

陰茎の亀頭が包皮に覆われている状態を包茎といいます。

種類

  • 生理的包茎:幼少期に見られる正常な状態
  • 仮性包茎:普段は包皮に覆われているが、手で剥くことができる
  • 真性包茎:包皮を剥くことができない状態
  • 嵌頓包茎:無理に包皮を剥いた後、元に戻らなくなった状態(緊急性あり)

真性包茎で亀頭包皮炎を繰り返す場合や、排尿障害がある場合は治療が必要です。嵌頓包茎は緊急処置が必要です。

美容目的の包茎手術は自由診療となります。

その他の疾患

  • 膀胱炎:男性では比較的まれですが、前立腺肥大症に伴って発症することがあります
  • 腎盂腎炎:腎臓の感染症で、発熱、腰痛、悪寒などの症状
  • 陰嚢水腫:陰嚢内に液体が貯留する病気
  • 精索静脈瘤:精巣周囲の静脈が拡張する病気、男性不妊の原因にもなる

検査について

当院では以下の検査を行っています:

  • 尿検査(尿潜血、尿蛋白、細菌検査など)
  • 血液検査(PSA、テストステロン値など)
  • 超音波検査(エコー)による前立腺、腎臓、膀胱の評価
  • 残尿測定
  • 尿流測定(尿の勢いを測定)
  • 問診票による症状評価
  • 必要に応じて専門的な検査

診察は完全予約制ではありませんので、症状が気になる方は診療時間内にお気軽にご来院ください。

早期発見・早期治療の重要性

泌尿器科の疾患の中には、前立腺がんのように早期発見が重要なものもあります。PSA検査は簡単な血液検査で行えますので、50歳以上の男性、または家族歴のある方は定期的な検査をお勧めします。

また、排尿に関する症状や男性特有の悩みは、QOL(生活の質)に大きく影響します。「年のせいだから」とあきらめず、また恥ずかしがらずに、お気軽にご相談ください。

多くの症状は適切な診断と治療により改善が期待できます。当院では患者さんのプライバシーに配慮しながら、丁寧な診察を心がけています。あなたの快適な生活をサポートさせていただきます。