手足口病

手足口病の原因

手足口病(てあしくちびょう)は口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹が出る急性ウイルス感染症で、子どもを中心に夏季に流行します。

一度感染すればそのウイルスの免疫はできますが、原因となるウイルスが複数あるため、再びほかのウイルスによって発症する場合があります。

感染経路は、手足口病にかかった人の咳やくしゃみなどによる飛沫感染によるものが多いですが、水疱が破れた中身や便の処理の際にウイルスが手に付着し、口や目などの粘膜を介して接触感染することもあります。

2~7日程度の潜伏期間を経て発症し、通常3〜7日の経過で治りますが、発疹が治まってからも2~4週間は鼻水や便などにウイルスが排出されるため、患者あるいは回復者に対しても、特に排便後の手洗いを徹底してください。

手足口病の症状

手のひら、足の裏、口の中などにできる2~5mm程度の水疱性の発疹が主症状で、かゆみを伴うことはほとんどありません。また、個々のケースによって発疹の場所は若干異なります。一時的に微熱や軽い喉の痛みを伴うこともあります。

口の中にできた発疹は軽い痛みのこともありますが、食べ物や舌などの刺激により水疱が破れることで強い痛みを伴います。

手足口病の治療

現在、手足口病の原因ウイルスに対するワクチンはありません。治療は「かゆみが出た場合には抗ヒスタミン薬を使用する」「発熱の際に解熱薬を使用する」など、症状に合わせた対症療法が行われます。

また、水分不足にならないようにすることが最も重要で、水や薄いお茶、スポーツ飲料などをこまめに与えるよう心がけてください。

口の中に痛みがあり水分さえ取らないような場合には脱水症状に陥ることがあり、時として経静脈的補液(点滴)での対応が必要になることがあります。